監督

座頭市シリーズは複数の人が交代で監督をしています。
三隅研次、安田公義、池広一夫、田中徳三、森一生がそれぞれ複数の作品を指揮しています。
その他、井上昭、山本薩夫、岡本喜八が1本、勝新自身も1本監督しています。
その中での特に気になる監督について。

① 田中徳三

シリーズの中でどの監督の作品が好きか、と問われたら、迷わずこの人を挙げます。
3(新・座頭市)、4(兇状旅)、11(逆手斬り)の3本を監督しています。
どの作品も良かったです。

田中監督の作品には、様々な要素が散りばめられていて、厚みがある、というか奥が深い、というか。
座頭市の活躍にスカッとする場面、哀しい場面、コミカルな場面、謎めいた場面、等々。

それに、観た後、なんだか考えさせられるんですね。
アカデミー賞を2度取った有名な映画「ゴッドファーザー」。
これはマフィアの世界という非日常の世界を描きながらも観た後いろいろ考えさせられるんですが、それと多少似たところがあります。

② 安田公義

安田監督はシリーズ25作品のうち6作品を担当、最も多く監督をしています。
どの作品も面白いですが、特に5(喧嘩旅)、15(鉄火旅)が良かったです。
その他、6(千両首)、18(果し状) 22(唐人剣)、25(笠間の血祭り)を監督しています。

③ 三隅研次

記念すべき第1作の監督。その他の作品も多く、安田監督と同じく計6作品を監督しています。
17(血煙り街道)が好きかな。
特にラストの役人侍との対決シーンは必見です。これについてはこちらをご参照。
その他、8(血笑旅)、12(地獄旅)、19(喧嘩太鼓)、21(火祭り)を監督しています。

④ 池広一夫

6(千両首)、7(あばれ凧)、14(海を渡る)の三作品を監督しています。
特に7(あばれ凧)のラストシーン、花火の下での戦いのシーンが面白い。(1゜10’くらいから)
カメラワークが特にいいですね。

座頭市が忍び寄るシーンでは、影だけが映って本人は見えない、まるでホラー映画のよう。
斬り合いのシーンは真上からの撮影や、花火の光による明暗の演出が斬新です。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です